【保存版】親を施設に入れる4つのタイミングと費用を解説!選定から手続きの手順も紹介

介護

自宅での介護は、負担が大きく家族だけで最後まで見届けるのは大変な道のりです。

このまま在宅介護を続けることに将来不安を感じおり、いざ入所を考えても疑問が浮かぶ方も多くいらっしゃるかと思います。

親の施設入所を考える際に、詳しい手順と費用を知ることで、不安を解消できます。

記事では、介護勤務歴8年の私が、入所までの手順から親を施設に入れる際の注意点まで詳しく解説しています。親も家族も、施設入所に向けて前向きに動き出せるようになるでしょう。

親を施設に入れる4つのタイミング

親を施設に入れようと考え始めるのは、以下の4つのタイミングです。

  • 親の認知症の症状が悪化したとき
  • 介護者の精神面・身体面に限界がきた
  • 在宅での介護に限界を感じたとき
  • 身の危険を感じるようになった

今まで自宅で介護ができていたことが、できなくなってきたら危険信号です。無理に自宅介護を続けた結果、家族も親本人も望まない方向に進んでしまう可能性があります。

施設に入れるタイミングを見極め、親も家族も心身ともにすこやかな生活が送れる選択をしていきましょう。

親の認知症の症状が悪化したとき

親を施設に入れるタイミングは、親の認知症の症状が悪化したタイミングです。

認知症の症状の始まりは、軽いもの忘れです。症状が進行すると、幻覚や幻聴・徘徊が見られ、親の人格が変わったと思うような変化が見られます。

親の行動を常に見守る必要があり、介護者の日常生活に支障がでてくる場合があるでしょう。認知症に症状により、常識や善悪の概念がなくなり、事故や怪我ときには犯罪を起こしてしまう危険が考えられます。

認知症は、適切な支援を受け身の回りの環境を整えることで、症状が緩和するケースもあります。親の認知症が進行し、自宅での介護に限界を感じている場合は、施設の入所を検討するタイミングといえるでしょう。

介護者の精神面・身体的面な限界がきた

家族が親の介護を自宅でし続けた結果、神的・身体的に限界を感じる時がきたら、施設入所を視野に入れてください。

自宅という狭い空間での親の介護は、家族が心身ともに追い詰められ、病気を患うこともあり得ます。介護者自身が、病気を持っていたり年齢的に体力がない状態であったりした場合、親の介護を無理をしている人も少なくありません。

また、親の介護と仕事の両立の難しさを感じた際も、施設入所を考えるきっかけになります。面倒を見ている家族が限界を感じる前に、適切な判断が必要です。

在宅での介護に限界を感じたとき

家族が在宅での介護に限界を感じたときは、親の施設入所を検討してください。親が自立した生活が難しくなると、食事から入浴まで家族が介護をする必要が出てきます。

在宅で介護を続けていくには、環境を整えることが大切です。排せつや入浴の介助は、適切な介護ができるための介護用ベッドや補助器具を揃える必要があります。

環境が整わないままの介護は、家族と親本人とって大きな負担となるでしょう。

「誰かの手を借りたい」「家族の介護では限界かもしれない」と感じたら、介護や医療のプロがいる施設に頼ることも必要です。

身の危険を感じるようになった

親の介護をしているなかで、家族が身の危険を感じるようになったら、施設入所を考えるタイミングです。認知症がある親の場合、症状が悪化してくると暴言や暴力を振るう変化が見られます。

認知症になる前は温厚な性格だった親が、暴力的な人格に変わってしまうケースも少なくありません親と接触することに恐怖を感じ、自宅での介護が家族にとって大きなストレスになってしまう場合も多いでしょう。

親自身も、体が思うように動かないストレスから、暴言や暴力につながっている場合もあります。

親から暴言や暴力があり、自宅での介護が思うようにいかないと悩んでいる方は、家族だけで抱え込まずに第三者に相談してみてください。

親を施設に入れるときの進め方5ステップ

親を施設に入れる際には、以下の5つのステップが必要です。

  1. 本人と家族で話し合う
  2. 入所施設の候補を絞り込む
  3. 費用を抑えるための対策をとる
  4. 専門機関に相談する
  5. 見学・体験入所をする
  6. 入所先を決める

以上のステップを踏むことで、施設入所を安心して進められます。

できる限り費用を抑えるための対策やおすすめの施設もあわせて紹介していきますので、参考にしてください。

本人と家族で話し合う

施設入所を進めるための最初のステップは、親と家族で話し合いをすることです。

話し合いをする際は、以下の4つのポイントをおさえておきましょう。

  • 現在の自宅での介護について感じていること
  • 施設に入所する意思
  • 施設入所費用をどうするか
  • 入所する場合どのような施設が希望か

無理に施設入所を進めてしまうと、その後の家族関係が悪化してしまう可能性が考えられます。

また、認知症などの病気になってしまった後では、本人の口から意思を聞けなくなってしまうケースがほとんどです。日頃から将来について話し合っておくこと、お互いに納得した選択ができるでしょう。

条件に合った入所施設を見つける

親の意思と家族の考えが一致したら、条件に合った施設探しを始めましょう。考えるべき条件として、以下の5つがあげられます。

  • 自宅からの距離
  • 施設の雰囲気
  • 入所の条件
  • 入所にかかる費用
  • 施設の支援体制

長い期間の入所が想定されるため、親と家族が希望する条件を満たした施設選びが重要になってきます。介護施設は選択肢が多く、特徴もさまざまです。

公的な施設のなかで、おすすめの施設3つと概要をまとめました。

施設サービス費用入居のしやすさ
特別養護老人ホーム
※看護師の配置業務がなく、医療ケアが不十分な場合も

※月10~15万

※65歳以上
介護度3以上
介護老人保険施設
※社会復帰を目指す施設・医療の専門員が多く在籍

※月9~20万

※65歳以上
介護度1以上
ケアホーム(一般型・介護型)
※介護型は介護支援あり・一般型は自立した高齢者が対象

※30~数百万

※60歳以上の高齢者または夫婦

参考:特別養護老人ホーム(特養)とは?費用や空状況、入居条件までわかりやすく解説|LIFULL介護
   介護老人保健施設(老健)とは?費用や特徴、入居条件まで解説|LIFULL介護
   ケアハウスとは?費用、入居条件やサ高住などとの違いを解説|LIFULL介護

自治体や社会福祉法人が運営している公的な施設であれば費用を抑えることができます。それぞれの特徴を理解して、親の介護状況や入所条件と照らし合わせた適切な施設を選びましょう。

費用を抑えるための対策をとる

日本には、介護負担の軽減ができる制度が多くあります。施設入所にあたり、費用が気になるという方は以下の3つの対策を検討してください。

  1. 減免・助成制度の利用
  2. 世帯分離
  3. 生活保護の検討

施設入所にかかる費用が軽減できる制度を利用するためには、一定の条件が必要です。

利用前には専門機関への相談をおすすめします。入所前に知識をつけておくことで、費用軽減につながります。

減免・助成制度の利用

・特定入所者介護サービス費
介護保険施設に入所する方に向けた食費・居住費の減税制度です。

所得や資産が一定以下の方には、食費・居住費の負担限度額が変わります。所得段階や施設によって負担限度額が異なるため、入所前によく確認しておきましょう。

・高額介護(予防)サービス費
一か月間の介護保険の自己負担額を超えると超えた分だけ申請すると、払い戻しが可能になる制度です。

上限額は世帯に属する65歳以上の人の課税所得額に応じて変動するため、注意してください。

世帯分離

施設入所の費用軽減の対策に、世帯分離があります。介護施設で必要な入院や入所中の居住費や食費などの自己負担額は、世帯年収や預金金額で決まります。

世帯分離をし、高齢者の単独世帯になれば、費用負担が軽減できます。世帯分離により、国民保険料と後期高齢者医療保険料の減額が期待できるでしょう。

生活保護の検討

生活保護は、施設費用の軽減対策の一つです。介護保険サービスの自己負担を免除ができます。

生活保護を受けていても、入所できる施設があるた、費用を抑えたいと考えている方は、検討してみてください。

自治体や社会福祉法人が運営している公的な施設であれば費用を抑えられます。公的な施設のなかで、おすすめの施設3つと概要をまとめました。

専門機関に相談する

親が入所したい施設の条件が出そろい、ある程度情報を集めてきた後は、専門機関に具体的な相談をしてみることです。以下の3つの相談先を紹介します。

相談先専門性相談をおすすめしたい方
地域包括支援センターケアマネから具体的な話を聞きたい方
・地域のなかで親の状況に合った施設を知りたい方
市役所・施設入所を初めて相談する方
・介護制度について知りたい方
介護施設に勤める友人・施設の雰囲気や現状を知りたい方
・気軽に相談したい方

 
地域包括支援センターは、ケアマネ(介護支援専門員)が在籍し、地域にある介護施設情報を網羅しているため、条件に合った施設を探すことが期待できます。

市役所は、場所がわかりやすく相談しやすい窓口です介護認定も行っており、最初の相談場所に適しています。

何の情報を知りたいかで相談する場所も変わってくるため、見極めて選択しましょう。

見学・体験入所をする

入所した後のギャップをなくすため、親が入所する施設を決める前には見学と体験入所をおすすめします

サービスや職員、施設全体の雰囲気を見ることで、入所後のイメージを湧きやすくなるためです。すべての施設が体験入所を行っているわけではないため、事前に確認する必要があります。

見学や体験入所の際に、入居審査や手続きについて確認しておくと、スムーズな入所が可能です。

入所を決める

親の施設入所を進める最後のステップは、入所を決めることです。入所前には、面談や入所審査をする施設がほとんどです。

入所にあたり、施設から重要事項説明書を用いた説明があります。契約に関して重要な情報を記載しているため、重要事項説明書をよく確認し保管しておきましょう。

契約の際に、入居金や月額利用料が必要になる場合もあります。事前に準備をしておくことで、スムーズに契約を進められます。

親を施設に入れるときに注意したいポイント3選

親を施設に入れる際に気を付けたいポイントは以下の3つです。

  • 無理に施設に入れようとしない
  • 施設に入れることに対して自分を責めない
  • 施設に任せきりにしない

親は、住み慣れた自宅から離れ、他人と共同生活を送るという変化に不安を感じています。親の気持ちに寄り添った心のケアは、家族だからこそできることです。

円満に施設入所を進めるために、注意するポイントをおさえてください。

無理に施設に入れようとしない

親を施設に入れる際に気を付けたいポイントは、無理に入れようとしないことです。親が施設に入りたがらない場合に考えられる主な理由は以下の3つです。

親が施設入所に対して感じている不安な気持ちに寄り添い、解決できる方法はないか家族で一緒に考えてみましょう。必要であれば、ケアマネや施設への相談もおすすめします。

施設に入れることに対して自分を責めない

親の施設入所に対して、罪悪感を感じてしまう家族も少なくありません。親を見捨てたような気持ちになってしまい、施設に入れてたことを後悔してしまう家族も多いでしょう。

しかし、介護保険サービスは社会全体で高齢者を支えるためにつくられた制度です。地域で高齢者の健康を守る体制が整えられているため、施設の力を借りる家族も非常に多くなっています。

家族だけでは解決できなかった介護の問題も、専門機関に相談し力を借りることで解決につながるケースも少なくありません。

親も家族の幸せを願っています。お互いがよりよく今後の人生を過ごしていくための判断が大切です

施設に任せきりにしない

施設に入れたあとは、親の心身のケアを任せきりにしないことです。家族ができる具体的な行動は以下のとおりです。

  • 定期的に面会に行く
  • 外出や外泊を提案する
  • 施設に関しての本人の要望は、職員に伝える
  • 施設の環境が合っていないと感じた場合は職員に相談する

身の回りの生活支援や介護などの面では施設を頼りますが、の気持ちのケアができるのは、家族にしかできません施設職員に言えない悩みや想いを、家族には話せるという親もいるでしょう。

定期的に外出などを計画してみると親の気分転換になります。また、親が施設で過ごしにくい様子がみえた場合は、家族から施設職員や担当のケアマネに相談してみてください。

家族のこまやかなサポートは、親が安心して施設で過ごすための大きな力となります。

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